今回はサンタフェに宿泊し 、世界文化遺産である、タオス プエブロへいってきました。世界最古の集合住宅であり、今現在もネイティブアメリカンが暮らしているという歴史的価値のある集落です。
タオス プエブロとは
タオス・プエブロは、ネイティブアメリカン、プエブロ部族の暮らす集落です。
1960年に、アメリカ国定歴史建造物に指定。
1992年に世界遺産(文化遺産)に登録されました。
タオスとは、インディアンの言葉で、「赤い柳」を意味し、
プエブロは、プエブロ族という意味と、
アドービでできた「ネイティブアメリカンの集合住宅」という意味があります。
タオス プエブロへの行き方
Googleで検索すると、違う場所が出てくるので注意してください。
上記の場所です。
サンタフェから車で1時間半です。
タオスプエブロへ行く際の注意
タオスプエブロは実際に人が暮らしているので、公開されていない日が結構あります。
思い立って行っても見学できないことも。
基本的には公開日は
木曜日~月曜日 午前9時~午後4時
つまり、火曜と水曜はお休みです。
また、儀式のある日は公開していても、写真撮影が禁止だったり、お葬儀など何かの都合で突如クローズしたりと、住民の暮らしが尊重されています。
必ず、ホームページのカレンダーで、予定を確認してから行ってください。
また、基本的にトイレも使用できないため、途中で済ませてきましょう。
タオス プエブロはなぜ世界遺産に選ばれたのか
タオスプエブロは、何層にもなった北米最大、かつ最古の住宅だから。プエブロ族の方は、なんと、1,000年前から、今現在も住み続けているというのですから驚きです。
1,000年暮らせる家とは、ヘーベルハウスも真っ青の丈夫な家。
千年暮らせる家 アドービ建築とは
アドービとはアラビア語を語源とするスペイン語で、土で作られた燃えないブロックの事。日本語では日乾しレンガと言われるものです。
アドービ作りは、粘土質の土掘り起こし、土をふるいにかけ、可能な限り細くします。水を注ぎ柔らかい泥状にした所に、細かく刻んだ草や、とうもろこしなどを一定量混ぜると、乾燥するプロセスでもひび割れを防ぐことができるそうです。
最後にモルタルを塗り込むのですが、モルタルは1年ごとに、必ず塗り替えるそうです。
こうして大切にすることで、1,000年持つ家ができるんですね。
タオスプエブロ見学
タオスプエブロに到着すると、駐車場へ誘導してくれます。
駐車場は無料です。
入場料
入場料
大人 $16
学生11歳~ $14
11歳以下 無料
こちらの村、電気も水道も通っていないということなのですが、入口ではクレジットカードが利用できます。
集落内でのお買い物にために、現金をもっておくと安心です。
ガイドツアーに参加
到着してすぐ、ガイドツアーが開催されるということで、参加しました。
集合場所はこの看板を通り過ぎた、教会前になります。
聖ジェローム教会
1850年に建てられたカトリックの教会です、
教会は国定歴史建造物に登録されています。
聖ジェロームとは、プエブロの守護聖人にちなんでつけられました。
教会内部は撮影禁止です。
中には精巧な手彫りの木製の梁と、聖歌隊のロフトが見どころです。
毎週、日曜の朝にはミサが行われています。
旧教会 Old Church
1619年に建てられ、 1680年と1847年の2度にわたり破壊されました。
教会跡の周りは、墓地になっています。
ガイドの女性が順に案内しながら説明してくれました。
上記は、HORNOSと呼ばれるオーブンです。
杉の木で火起こしし、燃えて灰になったら取り出し、中に調理するものを入れるそう。
この石窯のようなオーブンは、現在も各家にあり、
パンやケーキは勿論、パスタを作ったりもできるそうです。
Red Willow Creek
村に流れる川です。水道がない生活ですから、こちらの川から生活用水を調達するするそうですが、12月はこのように凍っています。
わんこさんが、凍った川の上を歩いていて、割れて落ちないか心配でした。
観光客が川の水を飲んだり、川に入ったりすることは禁止されています。
ガイドツアーは約40分、こちらの川の前で解散です。
ツアー中は、現在の村の様子などを説明してくれました。
タオスプエブロは、平屋ではなく、2階や3階建てのものが多くあり、
7つのキバ(地下にある儀式のための部屋)や教会があります。
集落は塀で囲まれていて、この歴史ある地区として独立しています。
大きい家に見えますが、内部は1軒1軒仕切られています。
家族が増えるたび、増設されてきました。
家の内部は、キッチンやリビングもあるそうですが、トイレは共同だそう。
もともとは、敵の攻撃から守るために窓やドアがなく、出入口は天井に空いた穴で、はしごで出入りしていました。
現在はカラフルなドアが取り付けられており、普通の家と同じように出入口があります。
この集落は現在も、約150人の方が生活しています。
村の経済基盤は、観光、芸術、伝統工芸、食品の販売です。
一部の部族は、タオスの町で働いています。
集落では、職人の手作り陶器や、シルバージュエリーなどを購入することができます。
村を歩いてていると、OPENなどと看板が掲げられている家があります。
お店を営まれているお宅なので、内部を見学させていただけます。
ガイドさんがアドービ建築は、夏涼しく、冬は暖かいということでしたが、
説明通り、お宅の中はとても暖かかったです。
暖炉から木の香りも心地よく、天窓からの明かりで、部屋は明るく快適です。
日本の雑誌に紹介されたお宅もあり、繊細な手作りの陶芸はまさに職人芸です。
シルバニアファミリーのような、小さな作品も精巧で素敵です。
また、パンなどが売られているお宅もあるようです。
まとめ
タオスプエブロへ行かれる際は、標高が高いため空気が薄く、体調を崩す方もいるようなので、無理のない旅行プランを立てて下さい。
冬場は雪が積もることもあり、途中の道が凍結していることもあるので、標準タイヤで行くなら、天候に注意が必要です。できれば冬場は、避けた方がいいかもしれません。
また、ガイドツアーは、英語が得意な方のみお勧めします。私の語学力では厳しかったです。教会から始まり、旧教会と墓地、川へと歩くだけで、集落は自身で散策することになりますし、自分で歩いても迷うような広さでもありません。
入場の際にもらえるちょっとした地図で十分です。
見学には、2時間程度見ておけば、
お買い物なども楽しめていいかと思います。
タオスプエブロは、標高が約2,200メートルと高い分、空に近いせいか一段と青く澄んでいます。その空の青さは、タオスブルーと呼ばれ、アドービ建築のオレンジが映えます。
かつて、スペイン人がこの村を発見した際、その美しさから黄金の都市を見つけたと言ったそうです。
その美しい景色が、1,000年たった今でも、変わらず目の前に広がっています。
集落を歩いていると、まるで時が止まったよう。
先祖代々の生活や慣習は、子孫へと脈々と受け継がれ、伝統を守り、家族が共に生きる姿をみていると、日本人が忘れてしまった大切なものが、そこにある気がしました。
私たちが訪れたお宅の方々が、楽しそうに話す家族のことや、少しはにかんだ笑顔が忘れられません。
車で10分走れば、スーパーやファーストフード店が並ぶ、近代的な町があるにも関わらず、敢えて、今だに水道も電気もない生活を続ける魅力とは何なのでしょう。
我々も家族と離れアメリカで暮らしていますが、ふと子供たちや、両親の顔が見たくなりました。
世界遺産は沢山あっても、実際人々が生活するという、生きた遺産はなかなかないのではないのではないでしょうか。
お子様にも、この昔ながらの暮らしをみせられる貴重な場所です。
一度訪れてみては如何でしょうか。