- そもそもAO入試とは
- AO入試は楽なのか?
- データから考えてみるAO入試
- AO入試のために必要な準備
- 一般入試のために必要な準備
- 帰国子女は有利なの?
- 早慶のAO入試で有利になるための英語資格はどのくらい?
- まとめ
そもそもAO入試とは
AO入試とはAdmissions Officeの略です。
そのままとれば、入試事務局といったところでしょうか。
学校のAdmissions Policyに準拠している生徒
つまり学校の求める生徒を
成績、小論文、課外活動などの功績、資格、面接などで選抜する入試のことです。
帰国入試にも類似した受験方法です。
(ちなみに最近、AO入試は総合型選抜という名前に変更されました)
AO入試は楽なのか?
一般入試より勉強しなくてもいいのでは?と思われる方もいらっしゃるでしょう。
世間ではAO入試は、勉強ができない人が受けるのだというような書き込みをみかけることがあります。
それはAO入試の選考方法が、小論文や、成績や活動実績、面接で行われるからということでしょう。勉強をしなくても、勉強ができなくてもAO入試なら、簡単そうと思われる所以ですね。では、勉強しないでAO入試に臨めばどうなるのでしょうか。
実はAO入試の準備は高校入学時から始まっています。
しかもAO入試は、一般受験はしないと決めて、臨んでいる人はいないのではないかと思います。
AO入試は9月から12月くらいに行われるのが一般的ですが、ここで合格できなければ、そのまま1月以降の一般入試へと進むことになるからです。
同じ大学を2回受けられるチャンスができると考えて、受けているということです。
AO入試はこれならば絶対合格という、確かなラインがありません。ですから不確かな要素だけで安易にAO入試だけで挑むのはあまりに無謀です。
つまり実際には、AO入試で入学している生徒は、一般受験のための勉強も同時進行で準備しているのです。
データから考えてみるAO入試
昨年AERAに掲載された一般入試とAO入試の志願者を見てみましょう。
ご自身の希望される大学や学部が、どのくらいの倍率なのか大体のイメージがお判りいただけると思います。
また、こちらの記事によると
早大は幅広い学部でAO・推薦型の入試を実施し、今後、募集定員全体に占める割合を一般入試と逆転させ、6割まで引き上げる目標を掲げる。留学生の多さで知られる同大だが、入試においても多様なバックグラウンドを持つ学生を集める考えだ。
ということなので、今後さらにAO入試の需要は拡大していく流れと思われます。
AO入試のために必要な準備
さきほどAO入試の準備は、高校入学した時からと申し上げたのは、AO入試は高校3年間のすべての結果をジャッジされる入試だからです。
うちは受験校は早稲田と慶應に絞り、学部にはこだわらず、出願に必要なものが似ている学部に絞りました。
早慶では、学部にもよりますが3年間すべての成績の評定平均値が高い必要があります。また学部によっては、評定平均値によるの足きりがあります。
入学した時から、すべての教科を満遍なく頑張っておく、苦手だからといって手を抜く科目があれば、評定平均値に影響してしまいます。
AOのためには部活も頑張った方がいいのかというと、頑張るに越したことはありませんが、固執する必要はないと思います。
なぜなら、早慶のAO入試でその功績を認められるのは、3年間続けたとか、主将を務めたということではありません。そういった生徒は、現実的に全国にも山のようにいるわけです。ですから、部活動なら、全国10位以内に入るような成績を残せるようであれば、価値があるかもしれません。しかし、インターハイ上位でもダメだったという人もいるようです。
勿論、だからといって、部活動がAO入試の際のアピールポイントにはならないということではありませんので、自分が望む部活動に専念することが一番いいと思います。
次に課外活動が重要です。留学やボランティア、セミナーなどに参加し、できればコンクールなども受けて入賞実績などを積んでいくということも重要でしょう。
英検やTOEICなど、資格試験も大学にもよりますが、過去2年間などの縛りがあるために既にお持ちの方も、高校に入ってから取り直す必要があります。
また、早慶のAO入試では面接や、グループディスカッション、プレゼンテーションなどがあります。そのため日頃から話せる力を身につける様にすることも大切です。
こちらが、慶應の法学部の願書の用紙の一部ですが、こちらの行をすべて埋めるための活動歴が必要です。そしてそれを証明する資料を添付するという形になります。
これだけの活動実績を書くためには、普段からあらゆることにアンテナをはって、いろいろなことに興味を持って挑戦していくことが必要です。
早稲田に関しては、出願書類が慶應よりも軽めです。また、慶應に比べると高校時代の活動実績ということよりは、論述試験と面接に、重点が置かれているように思います。
つまり、慶應に出せる活動実績を用意しておけば、早稲田の受験にも十分使えると思います。
一般入試のために必要な準備
うちは、完全に文系が得意でした。そのため基本的には早慶の中でも文系科目で受けられる学部に絞って準備をしました。
慶應 法学部や文学部の一般入試科目
慶應(SFC )総合政策学部や環境情報学部の一般入試科目
これって、すごくお得な試験ではありませんか?
帰国子女なら、英語ができれば小論文対策だけで目指せるんです。
もし気になる方はぜひ本屋さんでも、赤本をチェックしてみてください。
しかし、、、、。
小論文のレベルは半端じゃないです。普通に内容を理解するだけでも結構大変です。
運で受かるようなレベルではないため、英語ができるからという過信は禁物で、対策は必須です。
早稲田の法学部や文学部の一般入試科目
慶應や早稲田のAO入試では、論述試験があり広い知識や読解力をもとめられます。
その際、世界史や日本史の知識が役立つことがありますので、一般入試の勉強をきっちりと進めながら AOも視野にいれておくと効率的です。
①国語
②世界史もしくは日本史
③英語
④小論文対策
この4点を平行して行えば、万が一AO入試で失敗しても一般入試に切り替え可能です。
帰国子女は有利なの?
結論から申し上げれば有利です。
これは海外に何歳ごろいたのか、何年いたのか、英語圏だったのかで、ずいぶん違ってきますが、イメージ通りの英語ができる帰国子女の場合は有利でしょう。
ただし、うちのように幼少期に海外にいた子の場合は、1年もすれば英語はきれいに忘れてしまいます。英語を保持するのにはかなりの努力がが必要です。幼少期は覚えるのも早いですが、忘れるのも一瞬です。
英語が得意であれば、一般入試の際の英語の勉強が、圧倒的に少なくて済みます。
帰国子女はよくある話ですが、感覚で英語を覚えているので、基本的に文法が苦手な子が多いです。しかし、早慶の英語の問題は文法の細かいことを問われるような試験ではないので、かえって帰国子女には解きやすいようです。
英語に時間を割く必要が少なくて済む分、国語や歴史、小論文を勉強する時間に当てることができることは、大きなアドバンテージとなります。
そしてAO入試の際も、英語ができれば資格欄に英検、TOEIC、TOEFLのスコアを書くことができるため、3行分埋めることができます。
これも、有利になるポイントです。
しかし、それとは逆に不利になることもあります。
帰国子女は文章を書くのが苦手な場合が多いのではないでしょうか。英語ができれば、日本語が苦手のは当然と言えば当然ですが、早慶が求めている学生は、とちらもできる人材です。いくら英語力が群を抜いていたとしても、日本語力がない生徒はAO入試では、歯が立ちません。バランスの良い生徒を求めているのだと感じました。
文章力と読解力は昨日や今日で身につくものではないため、書くのに慣れること。読むのに慣れることは日々練習した方がいいでしょう。
また作文と小論文は別物なので、小論文の対策は結構大変そうでした。文章を書くことに慣れ、正しい文章を書けるようするため、対策講座も受けました。
早慶のAO入試で有利になるための英語資格はどのくらい?
これは、塾の過去の合格者データに基づいて聞いた参考値ですが、早稲田の政治経済学部グローバル入試と国際教養学部は英検なら1級 TOEICで900点以上、TOEFLで80以上。
慶應の法学部、政治経済学部、環境情報学部が英検準1級以上、文学部が2級以上あれば有利に働くと言われています。
AO入試は帰国入試とは違いますが、このくらいの英語のレベルを持つ子が多いのは事実です。
ちなみに帰国入試の場合の、早慶の英語の必要スコアは、英検なら1級、TOEIC950、TOEFL100だということでした。
まとめ
今回は我が家の経験からAO入試と、一般入試で必要な準備についてお伝えしました。
どっちが楽かは、結局は人によるでしょう。
もしAO入試で合格できれば、冬までに受験が終わり、その後の高校生活を楽しめて、その後受験勉強から解放されて、楽に過ごせるでしょう。
しかしAOを受けるなら、入試直前の夏休みまでに、一般入試の勉強を進めておく必要があります。一般受験だけを目指す人は夏休みを勉強だけに費やせますが、AO目指している人は、夏休みはまさにAOの対策と準備が大詰めとなり、一般受験用の勉強時間を確保することが難しいからです。
そう考えれば、やはり一般受験だけに集中する方が楽なのかもしれません。
しかし振り返ってみると、AO入試のために準備してきた経験は、将来的に役立つものが多かった様に思います。
AO入試のための書類の作成から、面接までのプロセスは、就活とも類似したものであり、そのための予行演習だと思ってもいいかもしれません。
現実的ですが、AO入試を目指すということは、時間も手間もお金もかかります。
しかし、2回受験ができるチャンスととらえて、挑戦してみることは決して無駄にはならないと思います。
どちらにしようか悩んでる方の参考になればと思います。
大学受験について7回に渡り、子供の大学受験の備忘録として、我が家の受験体験談を書いて行きたいと思っています。
良かったら続けて読んで下さいね!