メキシコシティに行ってきました。今回は、メキシコシティ中心部を観光した際の様子をお伝えします。ここは1987年に「メキシコシティ歴史地区」として世界遺産に登録された場所です。
- メキシコシティについて
- 知っておくと楽しいメキシコシティの歴史
- ソカロ(中央広場)
- メトロポリタン大聖堂
- テンプロマヨール
- 国立宮殿
- ソカロ付近徒歩での周り方 モデルプラン
- おすすめの現地ツアー
- まとめ
メキシコシティについて
メキシコシティと聞いて、皆さんはどのようなイメージをお持ちでしょうか。
私は砂漠にサボテン、そしてテキーラとマリアッチ、このくらいしか思い浮かびませんでした。
メキシコシティはメキシコの首都であり、人口は890万人とニューヨーク(人口約840万人)と同等の大都市です。
また、メキシコシティは標高2240m、富士山の5合目相当の高さに位置しています。
メキシコシティの空港に到着した際に、急激な標高差によって倒れる方もいるそうで、体調管理には十分注意が必要です。
実際、私も旅行中は眠りが浅く夜中に何度も目が覚めたり、階段や坂道では息切れしました。空気が薄いため疲れやすいため、余裕をもった観光プランを立てることをお勧めします。
知っておくと楽しいメキシコシティの歴史
標高2240mもの高地に位置するメキシコシティですが、かつては湖でした。
アステカ神話によると、アステカ帝国(現メキシコシティ)は、ウイツィポチトリと呼ばれた神によって建国されたと言われています。
アステカ民族は、ウイツィポチトリ神からお告げを受けます。
「サボテンの上に、蛇をくわえた鷲が降り立った場所に都を作れ」と。
ウイツィポチトリ神が、蛇をくわえ鷲の姿で降り立った場所が、現在のメキシコシティの中心地であるソカロ付近であり、アステカ民族は湖だったその地を埋め立て、テノチティトラン(石のように硬いサボテン)と名付け、湖の上に浮かぶ島を作り、一大都市を建国したと言われています。
このアステカ帝国の神話に登場した蛇をくわえた鷲が、メキシコの国旗に描かれています。このことから、メキシコの歴史におけるアステカ帝国の重要性が感じられます。
16世紀はじめに全盛期をむかえたアステカ帝国でしたが、スペインの侵略によって滅び、アステカ帝国の象徴的な建造物や神殿を破壊し、政治的、宗教的な絶対的な権力をみせつけるために破壊した石材を使ってカトリック教会を建てさせました。それがソカロに立つメトロポリタン大聖堂です。
そして、かつてのアステカ帝国の神殿跡を見ることができる場所が、テンプロマヨールです。
ソカロ(中央広場)
ソカロとは「へそ」という意味で、メキシコシティに来たら、この歴史地区の中心地であるソカロは外せない観光スポットです。
一辺が200m超えのほぼ正方形の広場で、北にメトロポリタン大聖堂、南に連邦区庁舎、東に国立宮殿(大統領官邸)、西にはスペイン様式のホテルやレストランと、四方に見どころが集まっています。また、メトロポリタン大聖堂の、東隣りの奥側にテンプロマヨール遺跡があります。
2015年公開の映画「007スペクター」でこのソカロ(広場)で撮影が行われました。約15分もこの付近の街の美しさが登場していますので、視聴してから訪問すれば、親近感をもってお楽しみいただけると思います。
かつてのアステカ文明の中心地だったソカロは、現在は独立記念日(9月16日)には60万人もの市民が集うことも有名です。また文化的なイベントやコンサートなどもよく行われています。
メトロポリタン大聖堂
前述のとおり、スペインがアステカ王国を征服し、破壊した石を使って建てられた大聖堂です。スペインの侵略者コルテスが命じ、スペインから有名な建築家が何人も召喚されて作られたため、ゴシック、バロック、ルネサンスが混在する建物になりました。
湖を埋め立てて作られたため、地盤沈下がおこり建物が少し歪んでいます。
メキシコにあるすべての教会を統括するだけあり、圧倒的な存在感です。
内部の14の礼拝堂や壁画も必見です。



こちらのキリストが黒いことについては、かつて信者が毒に侵された際、毒を吸い取ったために黒くなったという言い伝えがあります。
テンプロマヨール
テンプロマヨールとは大神殿という意味です。
この場所は、アステカ帝国の首都テノチティトランの宗教儀礼の中心地でした。
神殿は新しく王が即位するたびに、上に覆うように新たな神殿を築くため、テンプロマヨールは7層の神殿になっていることがわかっています。
1913年メトロポリタン大聖堂の裏側で、アステカ帝国の遺跡とみられる地下へ続く階段が発見されました。
その後1978年にメトロポリタン大聖堂の地下で電気工事が行われた際に、約3.2mの円盤型の彫刻が発見されました。
この彫刻には、月の女神とも言われるコヨルシャウキが5体がバラバラにされた形で描かれています。この世紀の大発見によってテンプロマヨールの発掘が始まり、この地にかつてアステカ帝国の大神殿があったことが明らかになりました。その後発掘調査が進められ、公開に至りました。


テンプロマヨールの入り口で、荷物チェックがあり飲み物は持ち込むことができません。持っている場合は飲み切るか、廃棄させられるので注意してください。
入り口で入場券を購入
80ペソ(約US4ドル/日本450円)
クレジットカードの使用可能です。
テンプロマヨール見どころ
2017年にこの神殿下で、幅約5mのツォンパントリに陳列された650個の頭蓋骨が発見されました。ツォンパントリとは、柱のある台座に穴をあけた人間の頭蓋骨を並べた祭壇のことです。
さらに2020年に、この祭壇の正面と東側から新たに119個の成人男女や子どもの頭蓋骨が見つかりました。多くは捕虜となった敵の兵士のものだと考えられています。
テンプロマヨール内で博物館にツォンバトリの復元壁は必見です。
現在遺跡では屋根の修復と発掘調査が進められており、遺跡内の歩道は見学ができなくなっており、外側から眺めることしかできず、残念でした。
写真で見える屋根に覆われている部分が、見どころともいえる場所のため、外からではみえません・・・・。
(通常であれば、神殿跡や、生け贄の心臓をのせて捧げたと言われるチャックモール像、下水道などの跡を見ることができます。)
今回は外側から見学後、併設の博物館へ。
それほど大きくはありませんが、4階建てになっており、展示も工夫されていました。



鷲の戦士の像
太陽神ウィツィロポチトリの戦士でアステカのエリート貴族戦士といわれていました。鷲の羽根から作った色とりどりの羽飾りを付け、鷲の頭の形をした被り物をかぶっていたそうです。
死の神ミクテランテクトリ
チャックモール
首のないチャックモール像
アステカ帝国で頻繁に行われていた生け贄の儀式。その際に心臓を取り出して、捧げられたとされるチャックモール像。
ここに本当に生贄にされた人の心臓がおかれたのでしょうか・・・。
トラルテクトリの石板
大きさは4×3.5m、厚さ40㎝、重量は約12トン
写真にうまく取れないくらい大きいです。
アステカ文明において、生と死のサイクルの象徴とされ、自分の血を飲みながら、しゃがんだ姿勢で出産している姿であるという説や、大地をつくるための材料にされるため、身体を引き裂かれた神だとされ、口から血を流し、大地の恵みのために生贄の血を求める姿であるともいわれています。
右足の間に描かれたウサギが4匹がアステカ暦を表しており、西暦にすると1502年に作られたものだということです。
博物館内には、他にも貴重で興味深い展示がありましたので、ぜひゆっくり時間をとって見学してくださいね。
国立宮殿
アステカ王国を侵略したモクテスマ2世が、植民地の本拠地の住居としてたのが始まりです。その後17世紀に大改築し、現在の姿になりました。
今回時間がなかったので入場しませんでしたが、入り口はテンプロマヨール寄りの北側にありますのでご注意ください。
宮殿の見どころはディエゴリベラの最大の壁画、「メキシコの歴史」
その名の通り、1521年から1930年までのメキシコの歴史についてを描いたもので、一見の価値ありです。
無料で入れる施設にもかかわらず、かなりの充実ぶりですので、ぜひ立ち寄ってください。
入場の際はパスポートを預ける必要があります。
こちらも飲み物は持ちこみ禁止ですのでご注意ください。
ソカロ付近徒歩での周り方 モデルプラン
私の今回のメキシコ旅行は短期滞在のため、ソカロ付近は、早朝の2時間でソカロ広場と、メトロポリタン大聖堂、テンプマヨールだけを観光しました。
半日ゆっくり見れるようでしたら、下記のプランがお勧めです!
おすすめの現地ツアー
時間の余裕があれば、自分で観光するのもいいですが、便利なツアーを利用するのも手かと思います。
Veltra はお手頃な価格のツアーがあり、メキシコシティ観光は$38~。
ピラミッド行きや、地方都市域のツアーもあります。
カード決済も可能です。
また、世界各地に住んでいる日本人に、現地を案内してもらえるプライベートツアー
を利用してみるのもいいでしょう。
効率よく、メキシコシティを観光できるのでおすすめです。
まとめ
世界遺産に登録されているメキシコシティ歴史地区。
メキシコシティに行ったなら、ここは絶対外さないでください。
建物や街並みすべてに、歴史を感じられます。
かつて鷲が蛇をくわえ、降り立った場所に築かれた王国に思いを馳せながら、観光してみてください。
スペインの統治下にあったことから、付近はまるでヨーロッパの街並みのようです。
アメリカからなら、ほんの数時間で行くことができるメキシコシティは見どころがいっぱいです。
ぜひ、一度訪れてみてはいかがでしょうか。